パーソナルスタイリストのMASAです
美容師が抱える悩み「手荒れ」について
この悩み、ほんと切実でして
僕自身も今年で美容師14年目になりますが、長いこと手荒れに悩まされてきました
しかし向き合い方、付き合い方を変えるだけで改善策は必ずあるのと諦めないでほしいという願いを込めて
実際の経験談もふまえた上で書かせていただきます
特に美容室オーナー、フリーランス美容師などルールを決める側、責任を負う立場の方に読んでいただきたいです
美容師に起きる手荒れには大きく分けて2パターンあります
1つ目が「職業性接触皮膚炎」
シャンプーやカラー剤などケミカルを使った薬液などが原因で引き起こす手荒れ
多くの美容師に見られます
2つ目が「アレルギー性接触皮膚炎」
施術中につける手袋に含まれるラテックス(天然ゴム)にアレルギーを起こしてしまうパターン
最近ではこのラテックスを含まない手袋がメインになってきてるためだいぶ減りました
前者である薬液やシャンプー、水仕事による手荒れがほとんどになります
さあここからはMASAの実体験のお話
美容師なりたて1年目の時、奴は突如襲ってきました
シャンプーレッスンをしてると両手がパンパンに腫れてきたのです
う・・嘘だろとなりすぐさま近くの皮膚科へ
診断の結果「シャンプーショック」と告げられます
シャンプーショック、なんじゃそりゃ
日々の生活から一変、急に毎日シャンプーをすることで界面活性剤が皮膚に反応して手がパンパンに腫れあがることがあるんだとか
昔すぎて写真がなくて残念
とにかくクリームパンのようにパンパンに膨れ、真っ赤になりました
その日はお風呂に入ることも困難、痛すぎて寝れなかったことを覚えてます
抗生物質を処方してもらい1週間ほどしてようやく腫れが引いてきました
ここからが僕の手荒れ人生のスタート
シャンプーする日々は続き、腫れは引いたものの今度は指表面に無数の切り傷ができ始めます
数えたことがあったが100は優に超えてました
これぞ「手荒れ第二形態」
またこれが痛くて痛くて、基本的に指を曲げることができません
シャンプーする時は、お湯につけて皮膚を柔らかくしてからでないと
それからゆっくり馴染ませていく感じ
お湯につけると麻痺して乾くとまた痛い
この繰り返し
熱湯60度が気持ち良くなるのはこの頃から
同期の美容師はみんなこんな感じでした
まれに全く荒れない人もいましたが、時代のせいか手荒れしてるアシスタントほど先輩に褒められるんです
これ絶対間違ってるのですが当時は『傷は男の勲章だ』ではありませんがそんな風習だったんですね
シャンプー剤やカラー剤も今より刺激の強いものだったので手荒れする美容師も多かったんです
当時に比べて今はだいぶ良くなりました
最近ではカラーの時、頭皮が染みにくくなってきたと思いませんか?
街を歩いてても昔ほど髪の傷んでる人はいません
これも全て薬液の進化のおかげ
そういう意味では昔ほど手荒れに悩む美容師は少なくなったのかもしれません
さあそんなこんなで時が過ぎ3年目に差し掛かる頃、働く店舗を変えます
新しいサロンではシャンプーのやり方なのか薬剤の影響なのか手荒れのタイプが変わってきました
当時の写真が見つかりましたが
ちょいグロいので申し訳ない
こんな感じ
指先の皮膚がやられてしまうパターン、、
正直これまでの形態の中でダントツ一番きつい
この荒れ方、働いてる時もそうですが私生活にも影響を及ぼします
例えば家事
水回りはもちろん指先が使えないとこうも不便だとは
料理も思うようにできず
早くお風呂に入ってテーピングを巻きたくなります
そう、私生活に影響を及ぼすというのが本当に辛い
気づけば指をボリボリ
温泉に行っても手術を始めますポーズ
休んでるのに心底休めてないような、そんな感じ
手の表面は綺麗になることはあるが、指先だけ気づけばまた荒れてしまう
後で聞いたら昔母親も同じ荒れ方をしてたらしい
手荒れも遺伝するのか
一時的にステロイドで治ってもシャンプーと薬剤に触れると秒で剥けます
この繰り返し
それでも当時手荒れに悩む美容師がこぞって通う渋谷の皮膚科へ通ってました
先生には「やめなきゃ治んないよ」と言われ
そりゃそうだよな、と納得
これでやめてく友達も見てきてます
2ヶ月おきに2種類のステロイドと膿み止めのテーピングをもらい
これで一時的に凌ぐ感じ
このケア方法で約15年
そして今年の9月、転機が訪れました
今年の9月に夏休みをいただきました
たまたまネットサーフィンをしてるとインパクトのある写真から、手荒れを完治させた方のブログにたどり着きました
読み続けると同じような悩みが書いてあり
状況から完治するまでの日記が綴られてました
彼は「紫外線療法」を試しそれで治ったと
初めて聞く治療法にすぐさま食いつき
諦めていたところに明るい兆しが見えたような気がしました
夏休み中に早速試してみたいと近くの紫外線療法ができる皮膚科へ予約をすることに
夏休み初日、いざ突撃
今までの治療法、現状全て吐き出すと先生から思わぬ答えが
紫外線療法はできるがやらなくていいとのこと
こ、こんなに調べたのに
僕の手荒れレベルではまだやらなくていい
という判断でした
先生はそのまま話し続けます
まずは向き合うことが大切みたい
なんとなく治療しても治らない患者さんを何人も見てきたのかな
半信半疑のまま耳を傾けます
手荒れの中にもたくさんタイプがあり僕の手荒れは膿やすく指先が荒れてしまうパターン
ステロイドで一時的に皮膚が覆われてもそれは治ったわけではなく薄い膜が被っているだけ
何かに触れたり摩擦するだけですぐまた破けてしまう→ショックを受けてしまう→精神的ダメージをうける
手荒れはとにかく短期間で治してそれから悪化しないようにすることが大切
その他にもターンオーバーの話や皮膚の構造の話、他の皮膚科では聞けない話をしてくれました
そして今回処方してもらった薬が
・ステロイド
・抗生物質
・痒み止めの内服薬
・保湿クリーム
この4種
ステロイドは今まで使ってたものでは弱かったらしく1レベル強いものを
抗生物質は膿を止めるために1日3錠
寝てる間に掻きむしり朝起きると悪化していることを伝えると痒み止めを処方してくれました
治っても掻き壊してしまえば元も子もない
手荒れの悪循環はそこにあるらしいのです
とにかく良い状態にしてそこから4週間は守ること
これが鉄則らしい
ちょうど今日から夏休みに入るため、早速翌日から始めてみました
レッツトライ!
塗り薬と飲み薬を併用する治療
初の試みでした
10年以上同じケアしかしていなかったためまずは恐る恐る
すると、なんと
3日目くらいから変化が
これのどこが変化?ってなるのですが
とても良い状態で、よーく見ると膿が止まり薄い皮膚でコーテイングされてるのがわかります
これはもしや
と期待を膨らまし続けること1週間
ジャキンッ!!!
皮膚がくっつきました
細かい傷はあるもののここまで綺麗な手を見るのはまさに10年以上ぶり
これまで季節や連休で回復したことはあったが正直ここまで回復したことはありませんでした
これには感動、、興奮
忘れかけていた自分の皮膚をみながら晩酌が止まりません
先生の言うこと聞いてよかった
今は一ヶ月ほど経ちますが良い状態をキープできてます
無事ターンオーバーが繰り返され皮もより厚くなった気がします
手荒れが良くなるとこんなにも嬉しいとは
控えめに言って世界が変わりました
結局、紫外線療法はできなかったもののきっかけをくれたのは1つのブログであったことに間違いありません
ブログをきっかけに新たな皮膚科を探し、手荒れに対する考え方、向き合い方を改善できました
ありがとう、先生
ありがとう、ブログの投稿者
そしてそんな経験ができた僕からも伝えたいことが2つあります
今まで数店舗の美容室で働いてきましたが、お店から手荒れしたスタッフへの向き合い方はそれぞれでした
手荒れのひどいスタッフがいても見て見ぬふり、挙げ句の果てには「頑張ってる証拠だ!」と理解不能な発言が飛び交い
「シャンプーはグローブつけてはダメ」
ストレート剤を塗布する際、「素手でないと感触がつかめない」
ルールを決める側の人間が決めつけてはいけません
おそらく手荒れを経験したことがないのでしょう
一度グローブした手でのシャンプーを受けてみてください
今は素晴らしいグローブがたくさん出てます
薄くて温度も感じやすく非常に使いやすい
素手かグローブかわからないものもたくさんあります
手荒れした手をかばうことなく10本の指をフル活用するシャンプーはむしろパフォーマンスが上がります
される方もそうですが、本人が一番実感できるはず
ストレート剤もグローブつけても感触つかめます
実際に経験して思いました
まずはルールを変えないといけません
皮膚の弱い人も美容師を楽しめるよう
美容師は身体が資本
スタッフに寄り添った考えを持ってあげてください
手荒れの治療を決して諦めないでほしいということ
先生にたとえ「辞めないと治らない」と言われても
美容師の勤務時間や食生活を理由に「職業病だから一生付き合っていこう」となろうとも
決して治すことを諦めないでほしい
15年間どうしようもなかった手も治りました
グローブを全て使い捨てにし
シャンプーが終わる度にハンドクリームをつけ
寝る前は必ず綿手袋
お酒も控え
食事のバランスも見直しました
「とにかく短期間で治す」を徹底した結果今があります
連休のタイミングでスイッチ入れて一気に始めることがポイントです
まずはアクションをおこして、自分と向き合ってください
きっともっと楽しい美容師ライフが待ってるはずです
長々とお付き合いいただきありがとうございました
正直書こうか迷った内容でした
しかし1人でも手荒れに苦しむ美容師が減ってほしいという願いを込めて
今まで手荒れが理由で辞めてく美容師を何人も見てきたからこそ書きました
美容が好きで続けたくても続けられない、そんな残酷なことはありません
まずは一歩踏み出すところからスタートしてください
ではこのへんで